m

odel-f-plus.

 ■只今絶賛就職活動中のsawadaspecial.comさんのとこの掲示板にポストされてた『ファースト世代からのガンダムSEED擁護論』 に感銘を受けたので、これに対しての僕の意見を纏めてみました。 長文は苦手なので、読みずらいと思いますが、よろしければどうぞ。

 ■このサイトでプラモとしてのSEEDを取り上げることがあっても、番組に対してのコメントを書いてこなかったのは、上記の作者さんも書いている、製作者側から投げ込まれる餌に食いつきたくないやってのと、作品に対して憤りを感じる程きちんと作品を見ていないってのがあると思います。(とは言いながら、バイクの故障でどうしても見ることが出来なかった一回分を除いて、現在全てビデオ保存はしてあります。) 

上記のSEED論の中で、各所で取り沙汰される作品としての『あざとさ』や、『薄さ』は凝り固まった思考を持つ旧来然としたアニメファン、ガンダムファンをふるい落とす為の福田監督の意図的な演出だという風に纏められてているのは非常に面白く感じました。 そしてその『ふるい落とし』は新しいガンダムファン、巨大化するガンダムビジネスに対する『種まき』だと、このSEED論は纏めています。 従来のガンダムファン、特に"ファースト信者"的思考を持つ方や、アニメを監督論、演出論、作画論で『語ろうとする人種』的にはSEEDはどうしても理解しにくい物だと思われます。(最近、平野耕太氏がこのネタで一本短編を書いていましたね。) そして、そぎ落とされた台詞の中に込められたメッセージを受け止めることを至上の喜びとする『トミノ信者』には、物足りなく感じるであろう世界観やキャラクター、そしてストーリーテリングに対しての異物感は相当のものなんじゃないかと思われます。(実際の所、僕もそう感じています。)

 ■ですが、オリジネイターであるトミノ御大自身が作り出し、過去のガンダムに対するスクラップ&ビルドを行った∀ガンダムがガンダムビジネス的には成功とは言えなかったことを含めて、旧来然としたガンダムワールドのリミックスではいわゆる(ガンダムビジネスとしての)『新しい風』を吹かすのは無理なのかもしれません。 今後のガンダムビジネスとしての展開の意味合いを含め、現時点でのメインターゲットのリアルファースト世代のお財布を当てにするのは、企業として正しい姿ではないでしょう。 

 そこで求められたのが、まったく新しい、『無味無臭』なガンダム。 とは言っても、無味無臭ではあまりにもガンダム的アピールが乏しいので、味付けはガンダム味。 無味無臭なので、今までにできなかった味付けが可能となります。 そんな中でまったく新しい流れを組んで発売されるバンダイのガンダムSEEDプラモデルシリーズは現時点では大成功といって差し支えないのではないかと思います。(3月末までに1/144シリーズのみで100万個出荷予定だそうです。)

ガンプラファンの中で確固としたファンを持つカトキハジメ風味は、この新しいガンダムワールドの中ではスパイスが効きすぎてしまう為、有る意味ニュートラルで、ちょっと今風の味付けも可能な老舗レストラン的スタンスの大河原デザインが採用されたのはもしかするとバンダイ側からのオファーなのかもしれません。 間接が動かないガンプラなんて、カトキハジメ監修のプラモデルでは絶対ありえないでしょうし。 ∀ガンダムプラモシリーズと同様に、カトキ氏の影がちらつく『マスターグレード』のラインアップから外したのも意図的なものでしょう。(マスターグレードシリーズの企画も動いているようですが。)

 ■当然僕も含めてなのですが、いわゆる『ガンダムを語る』という行為というものは、ソレ相応の知識の蓄積がなければ語ることができないと思われていました。 通常、物語を語る行為にはトミノ御大のことであったり、大河原、安彦氏のソレであり、物語であり、声優さんに対する知識が必要となります。 例えば、押井守氏を語るためには、氏の持っているバックグラウンドを理解していないと押井守的世界観を掘り下げるのは難しいと思われます。

『トミノ的演出』が心の奥深い場所を揺れ動かすのに比べ、『SEED的演出』はあくまでも表面的な心象描写に終始しています。 トミノ的な凄みというものは基本的にソレを読み込み、理解することから始める必要がありますが、SEEDの世界ではその行為は特に必要ありません。 その世界の中で描かれている感情、心象描写はもっとプリミティブなものだからです。

よってSEEDを語る行為は知識としてのガンダムは必要ありません。 いや、むしろ目の前にある(SEED的)世界はオリジナルガンダムと比較する行為を行うことはむしろマイナスとなるのです。 その辺りが擁護論の中にもででくる旧世代ガンダムファンに向けた『ふるい落とし』なのかもしれません。 

ファーストガンダムがそれ以前のアニメーションの図式から外れていたことよって行われた『ふるい落とし』の効果のように、以前からのコアなファンを振り落とし、福田監督がいうところの21世紀のファーストガンダムをmyファーストガンダムとした新しいガンダム観を持った世代が今後のガンダムシリーズを作り続け、ガンダムビジネスを潤していくに違いありません。

 ■正直、このような『うすっぺらい』ガンダムが今後大量生産されるのは寂しいですが、今後のガンダムワールドの広がり、バンダイのプラモシリーズの今後の展開のことを考えると、意味はあるのではないか、と思っております。


http://modelfplus.com/